研究概要
生物圏によるCO2固定量とバイオマス供給量を高精度で推定する生物圏モデル(デジタルバイオスフェア)を開発する。高精度化は、A-B分野の各課題による生物圏機能のメカニズムおよびその環境応答に関する知見の統合、および独自の高分解能マッピングによって達成する。
研究領域において、機能・環境応答に関する知見をモデルに統合することで「統合生物圏科学」の具体化に貢献する。生物圏モデルは、陸域においては1km程度、海洋においては4km程度の極めて高い空間分解能を持ち、生物圏機能評価のきめ細かい(例えば自治体単位の)ニーズに応えるものを目指す。A分野の成果を踏まえ、大気CO2濃度上昇や気温・降水量などの気候変化といった地球規模の環境変動だけでなく、耕作地化などの土地利用、森林破壊などの人為影響も考慮する。
モデルの検証は、主にB分野による生態系観測データのほか、各種観測データベースを活用して実施する。地球環境変動の緩和効果を検討するため、A分野の研究成果に基づいて、高いCO2固定・バイオマス供給能力を持つ形質の拡大や土地利用・植林などの管理活動を加えたシミュレーションを実施する。
研究メンバー一覧
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- 研究代表者
伊藤 昭彦ITO Akihiko東京大学/教授(生態系モデル) -
- 研究分担者
中岡 慎一郎NAKAOKA Shinichiro国立環境研究所/主任研究員(海洋CO2交換) -
- 研究協力者
八代 尚YASHIRO Hisashi国立環境研究所/主任研究員(大規模モデル開発) -
- 研究協力者
高尾 信太郎TAKAO Shintaro国立環境研究所/主任研究員(領域海洋モデル) -
- 研究協力者
安立 美奈子ADACHI Minako東邦大学/准教授(高分解能陸域モデル)