• B分野

B02
リモートセンシング技術による生態系構造、機能及び多様性の高精度観測

研究概要

リモートセンシング観測は、森林及び沿岸生態系の広い領域を面的に観測できるという優れた手法である。従来の生態系リモートセンシングでは、環境中の反射光連続スペクトルを3から4つ程度の波長バンドで観測し、その波長バンドの観測値と生物物理量の関係を植生指標や回帰モデルで関連づけることで特徴量の抽出を試みてきた。しかしながら、3から4つ程度の波長バンドから得られる情報は限られるため、例えば、植物葉の形質や光合成活性に関わる情報、沿岸海域の植物プランクトンの種組成などを推定する統一的な手法の構築は困難であった。

本計画研究では、近年、技術の発展が著しいレーザー測距(LiDAR観測)と数百の波長データのイメージング観測であるハイパースペクトル観測の複合利用により沿岸生態系の光合成機能と森林構造及び沿岸海域の植物プランクトン多様性の高精度マッピング手法の開発を行う。また、ハイパースペクトル観測からは光合成活性の推定に有効な植物蛍光の導出も試みる。

本研究では、地上観測と衛星観測の観測スケールのギャップを埋めるため、地域レベルの観測に有効な航空機による観測を熊谷班・小野田班が担当する森林コア観測サイトや東京湾、瀬戸内海など、研究参画者の調査実績のある沿岸海域で実施する。さらに、他班と協力し、衛星データを用いて生物圏機能、生物多様性、機能的多様性などのグローバルマッピングを行い、モデル担当班に数値モデル検証のためのデータを提供する。

研究メンバー一覧

    • 研究代表者
    小林 秀樹
    KOBAYASHI Hideki
    海洋研究開発機構/グループリーダー代理(リモートセンシング)
    • 研究分担者
    Eko Siswanto
    SISWANTO Eko
    海洋研究開発機構/主任研究員(沿岸・海洋生態系)
    • 研究協力者
    林 真智
    HAYASHI Masato
    宇宙航空研究開発機構/主任研究員(陸域生態系)
    • 研究分担者
    甘田 岳
    AMADA Gaku
    森林総合研究所/日本学術振興会特別研究員(陸域生態系)
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