2024年11月19日
森林の炭素吸収に関する新しい解析(C01班)
研究代表者: 伊藤 昭彦 東京大学/教授(生態系モデル)
森林による炭素吸収は気候変動緩和策として注目されています。国際共同研究に参加し、基礎的データである森林インベントリを使用して世界の森林による炭素吸収量の評価を行いました(2011年に発表された解析のアップデート)。その結果、1990年代から2010年代にかけて、森林破壊や気候変動が進んだにもかかわらず、世界の森林による炭素吸収量は年間約35億炭素トンで維持されてきたことが分かりました。熱帯では既存あるいは再生した森林による吸収が、森林破壊による放出で大幅に打ち消されるなど、地域による特性も明らかとなっています。本研究領域では、この森林炭素吸収をいかに維持・拡大するかも焦点の1つとなっています。
キーワード:炭素吸収源、気候変動緩和、森林インベントリ
論文掲載日:2024年7月18日
引用文献:
Pan, Y., Birdsey, R. A., Phillips, O. L., Houghton, R. A., Fang, J., Kauppi, P. E., Keith, H., Kurz, W. A., Ito, A., Lewis, S. L., Nabuurs, G.-J., Shvidenko, A., Hashimoto, S., Lerink, B., Schepaschenko, D., Castanho, A., and Murdiyarso, D.: The enduring world forest carbon sink, Nature, 631, 563–569, 10.1038/s41586-024-07602-x, 2024.