研究レポート

【研究紹介】
観測ビッグデータ駆動型の広域陸域水物質循環推定による陸域生態系変動の診断

  • B分野
  • B03班
2022年08月23日
 市井 和仁  千葉大学/教授(生物地球科学)

 陸域生態系における水・物質循環については、これまで地上観測データ、衛星観測データの不足や陸面の不均質性のために、推定の不確実性が高いとされてきた。近年では、地上観測ネットワークデータ・衛星観測データの整備が進みつつあることや、計算機技術の発展に伴い、観測データ(観測ビッグデータ)に基づく推定が可能になってきた。
 そこで、本研究では、以下の2点を行う。

  • 地上観測ネットワークデータ・衛星観測データ・機械学習・簡易生態系モデル(診断型モデル)を駆使して、観測ビッグデータに駆動された広域の陸域水・物質循環を推定する。機械学習に基づく方法と簡易生態系モデルに基づく方法の2種類の手法で推定する。
  • 得られた推定結果を用いて過去約20年に渡る変動を評価し、極端な変動が見られる地域を抽出し、相互の一貫性を含め、信頼性の高い変動シグナルを抽出し、メカニズムを解明する。

 本研究で構築する広域の陸域水・物質循環データセットは、グローバルでは5km、東アジアでは1km程度の空間分解能を想定し、本研究領域における生態系モデルなどのベンチマークとして利用可能な基盤的な広域データセットとなる。

 

キーワード: 陸域生態系、炭素循環、水循環、広域推定、リモートセンシング、モデリング

参考文献: 市井和仁, 渡辺裕之, 谷口弘智, 植山雅仁, 近藤雅征 (2018) 機械学習を用いた地上観測・衛星観測データの統合による広域陸域熱・水・炭素フラックスの推定, 日本リモートセンシング学会誌, 38, 114-120.