研究レポート

【研究紹介】
容易に抽出可能な水溶性有機物の同位体情報を活用する土壌有機物分解動態の解明

  • A分野
  • A04班
2022年07月14日
 永野 博彦  新潟大学/助教(温室効果ガス動態)

 統合生物圏科学が目指すデジタルバイオスフェア構築には、微生物による土壌有機物分解動態の解明が不可欠である。しかし、直接測定の困難な有機物分解を推定可能な簡易かつ汎用的土壌分析手法は確立されていない。現在、風乾土を水に浸し抽出できる水溶性有機物が微生物細胞に由来する可能性が見出されている。さらに風乾土の水溶性有機物に含まれる炭素・窒素の同位体存在比を測定することで、微生物が実際に分解した有機物の生成時期や分解特性を推定できる可能性がある。
 本研究では、風乾土から水抽出された水溶性有機物やその同位体存在比に着目し、各種陸域生態系における土壌有機物分解動態の推定に利用可能な土壌分析手法の確立を目指す。

 キーワード:土壌炭素、有機物分析、風乾土、水抽出、同位体