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2022年11月07日

土壌微生物の群集ネットワーク推定研究が公表されました

 微生物群集は、多様な微生物が様々な種間相互作用によって結びついたネットワークと見なすことができる。ストレス勾配仮説(SGH)は、よりストレスの高い環境では正の相互作用が好まれると予測する。本論文では、弱ストレス温度条件(30℃)または強ストレス温度条件(37℃)で培養した土壌微生物群のアンプリコンベースの多様性時系列データに非線形時系列解析を適用することで、微生物ネットワークが温度ストレスに応答する様子を明らかにした。
 ストレスの少ない条件下でのみ存続する属はプラスの効果が少ないのに対し、ストレスの多い条件下でのみ出現する属はプラスの効果を多く受け、SGHと一致するかのように見える。しかし、温度差は群集ネットワークの再構築を引き起こすため、群集全体で見れば、負の相互作用の割合が増加した。この反SGHパターンは、代謝率の上昇と個体群密度の増加によって競争が激化したことで説明できる(A03班)。

図1. 推定された土壌微生物群集ネットワーク 30℃(青色及び黒色)と37℃(赤色及び黒色)環境下では全く異なる群集ネットワークが得られる。データ解析から、37℃条件下では負の相互作用が卓越する。

 

引用文献: Yang et al. (2022) Reconstruction of a Soil Microbial Network Induced by Stress Temperature. Microbiology Spectrum 10: e0274822

キーワード: 土壌微生物、種間相互作用、非線形時系列解析

2022年8月16日掲載