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2023年11月10日

時系列を用いた因果推定の統合的な理解に向けて(A03班)

研究代表者: 近藤 倫生 東北大学/教授(データ解析)

 

 自然科学・社会科学を問わず、多くの研究分野において、興味のある出来事の原因と結果(因果関係)を追究することは最も根本的な目標のひとつです。しかし、私たちの身の周りの出来事の多くは様々な要因が複雑に相互作用することで生じており、それらの因果関係を明らかにすることは簡単ではありません。東北大学の長田穣助教らは、既存の研究でよく使われる二つの時系列因果推定法を情報理論の観点で整理し、両手法の理論的関係性を初めて明らかにしました。また、得られた結果から既存の手法の利点を併せもつ新しい手法を提案しました。数値シミュレーションによって、新しい手法は様々な状況において既存の手法より優れていることが確かめられています。本研究の成果は、時系列データが得られる状況において、因果関係の推定を通して興味のある現象の理解につながることが期待されます。

(論文掲載日:2023年4月20日)

 

キーワード: 非線形時系列解析、因果推定、相互情報量

引用文献:
Osada, M. Ushio, M. Kondoh. (2023) Unified understanding of nonparametric causality detection in time series. bioRxiv: 2023.04.20.537743