【研究紹介】樹木における匂い受容を介した環境ストレスと病虫害への応答トリプルトークの解明
- A分野
- A04班
2022年11月15日
石原 正恵 京都大学/准教授(森林生態学)
樹木は高温、乾燥化、病虫害など様々なストレスに直面している。ストレス抵抗性制御機構を担っているサリチル酸、アブシジン酸、ジャスモン酸は、独立ではなく、拮抗・相乗作用、つまりトリプルトークが存在しており、その結果植物の実際のストレス応答が決まると考えられる。また、食害や傷害を受けた葉から匂いが放出され、被害を受けていない健全な他個体がその匂いを受容すると、防衛力が高まり、被害率が低くなるという「匂いを介した植物間コミュニケーション」が近年注目されている。つまり匂いを介してストレス応答が森林内に拡散していく可能性がある。本研究は、匂い受容による、植物のストレス応答トリプルトークの解明を目的とする。
キーワード: VOC,植物間コミュニケーション、ブナ、森林、乾燥化