2023年10月06日
北欧北極圏でのフィールド調査を実施しました(A02班)
研究代表者: 阪口 翔太 京都大学/助教(集団ゲノミクス)
最終氷期に厚い氷床で覆われていた北欧では,植物が移入したのは気候が温暖化した後氷期になってからです.その移入の際には,北極圏に特有の白夜・低温・短い生育期間等の環境条件が選択圧となり,同種の植物であっても適応性の異なる集団が急速に形成されました.左写真はキク科アキノキリンソウの北極圏型(右側)と低緯度型(左側)を同一環境で栽培したものですが,2型は開花期や草丈などで遺伝的に分化しています.
2023年7月,北欧の高緯度環境に適応したアキノキリンソウ集団の調査を実施しました(地図の赤い範囲,右端の写真).緯度間で異なる環境適応性がどのような遺伝的基盤によって生じたのかを調べるべく,今回収集した試料のゲノム分析を進めています.
キーワード: 緯度勾配,北極圏,ゲノム適応,植物