研究レポート

【研究紹介】
土壌マイクロバイオーム固定するCO<sub>2</sub>動態解明

  • A分野
  • A04班
2022年07月28日
 村瀬 潤  名古屋大学/教授(土壌微生物学)

 土壌は陸上最大の有機炭素の貯留の場であり、土壌有機炭素の維持・増進は大気CO2の吸収および健全な植物生産を実現する上での重要課題である。土壌における炭素貯留サイクルは、植物による光合成産物(地上部、根)からの有機物供給が起点であることが大前提であった。
 本研究では、土壌マイクロバイオームのCO2固定能力に注目し、土地利用体系の異なる土壌における土壌微生物によるCO2固定ポテンシャルをフィールド調査・室内培養実験で評価するとともに、微生物固定炭素の土壌中での動態(残留性、腐植化)を明らかにする。また、安定同位体プロービングやメタバーコーディングを含む分子生態学的手法によりCO2固定土壌微生物群集を特定する。さらにCO2固定土壌微生物の分離培養しその生化学的・生理学的特性の解析をすすめ、CO2固定微生物の応用利用の可能性を探る。

 キーワード:土壌微生物、藻類、光合成、CO2固定、土壌炭素動態