【研究紹介】森林生態系における地上と衛星SIF観測の統合による着葉期CO<sub>2</sub>吸収量の評価
- B分野
- B03班
2022年07月21日
両角 友喜 国立環境研究所/特別研究員(植生リモートセンシング)
気候変動の緩和のために二酸化炭素(CO2)吸収量の広域における現状把握は急務である。これまでCO2吸収量の広域遠隔推定には、季節的な葉(およびその色素)の量の変化をとらえる植生指数(リモートセンシング指標)が用いられたが、展葉後の比較的短い期間の変動や常緑樹など葉の変化が少ない対象においては適用が困難であった。一方、太陽光誘起クロロフィル蛍光(SIF)はより短期の光利用効率や光化学系のストレス応答を反映する。
本課題では常緑・落葉など異なる3つの森林生態系観測タワーにおいてSIF―CO2吸収量―生態系タイプの関係を解析し、衛星SIF観測データを利用することで葉のついた状態のCO2吸収量の変動について広域的に明らかにする。
キーワード:クロロフィル蛍光 地上リモートセンシング 衛星観測 高波長分解能スペクトル 炭素循環