研究レポート

【研究紹介】
森林の階層構造にもとづく林床クロロフィル蛍光による鉛直光合成評価

  • B分野
  • B03班
2024年12月02日
両角 友喜  国立環境研究所/特別研究員(植生リモートセンシング)

 炭素循環の現状把握のため陸域リモートセンシングを積極的に利用することが求められる。日本の多くの森林では丈の高い樹木だけでなく小さな低木・草本などのまとまり(群落)からなる階層構造が発達する。前半の課題の結果を踏まえて上空から見えやすい上層だけでなく下層をどう捉えるかが鍵であると考えた。そこで後半の課題では、森林下層(林床)にフォーカスし、光合成速度のプロキシとなるクロロフィル蛍光を測定する。より詳細にしらべるために1枚の葉(個葉)と群落で、パルス変調(PAM)による最大蛍光収率測定と太陽光誘起蛍光(SIF)観測をそれぞれ実施する。さらに個葉光合成の実測や、群落CO2吸収量のデータを組み合わせて解析し、鉛直的な光合成の評価を目指す。

 今年度は、キャンペーン観測においてササ個葉光合成の測定を行った。また落葉針葉樹林(山梨県富士北麓)と落葉広葉樹林(岐阜県高山)の林床における観測を実施した。

 

キーワード:CO2吸収、森林構造、林床、クロロフィル蛍光、リモートセンシング