研究レポート

【研究紹介】
陸上食物網を支える炭素循環の時間スケールとその決定要因の解明

  • A分野
  • A04班
2024年12月17日
兵藤 不二夫  岡山大学/教授(同位体生態学)

 土壌動物は土壌微生物と共に枯死有機物を分解し、植物に利用可能な栄養塩を供給しています。一方、分解されずに残った有機物は土壌炭素として貯蔵されます。さらに土壌動物は地上部消費者の餌資源としても利用されています。このような陸上食物網の炭素循環の理解は、生態系の保全や環境変化に対する応答予測を行う上で重要です。本研究では、気象条件や植生の異なる森林を対象に、土壌動物と土壌微生物の食物年齢(光合成産物が出来てから消費者に利用されるまでの時間)を放射性炭素分析によって測定し、陸上生態系の食物網を支える炭素循環の時間スケールとその決定要因を明らかにすることを目的としています。

調査地(椎葉)

調査地(半田山)

キーワード:土壌炭素、地上部、地下部、放射性炭素、安定同位体